地理学科のトピックス
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2025.06.28
木村ゼミ大巡検で北海道の道東を訪問しました(2025年6月23日~28日)
地理学科では、3年次ゼミで大巡検(だいじゅんけん)という、宿泊を伴うフィールドワークを行います。2025年度の木村ゼミは、6月23日(月)から6月28日(土)まで、北海道の道東で大巡検を行いました。木村ゼミの大巡検は、日本の気候の多様性と人々の生活を知るために、奈良は梅雨で蒸し暑い6月下旬に、爽やかな北海道を訪問することが慣例となっています。
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【6日目:2025年6月28日(土)】
朝8:00にJR釧路駅前に集合して、全員が元気なことを確認して解散としました。その後すぐ、駅前から釧路空港行きのバスに乗車し、釧路空港へ移動。今年は解散当日中に、全員が羽田経由で伊丹/関空に戻ります。
来週のゼミでは、大巡検中に現地で学んだことを復習します。そして、7月中にA0サイズのポスター2枚を作成し、A棟1階の廊下に掲示予定です。7月27日(日)のオープンキャンパス/「GIS Day in 奈良 2025」の日には、来場した皆さんにご覧いただけよう準備をしていきます。また、今回の大巡検を通して各自が学んだ内容は、9月下旬までに1万字程度の「進級論文」としてまとめ、卒業論文への足がかりとしていきます。
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【5日目:2025年6月27日(金)】
朝9:15に標津(しべつ)のホテル前に集合して、今日もレンタカーで移動しました。今日は天気予報では雨でしたが、なんとか一日中、行動時には雨に降られませんでした。最初に、日本最大の砂州(海岸地形の一種)である野付半島に行き、野付崎灯台とネイチャーセンターを見学しました。
その後、別海町の町役場前を通るルートで、広大な牧場と大規模な農業機械を車窓観察した後、浜中町琵琶瀬のレストランで昼食。厚岸で有名な牡蠣を使った食事を楽しみました。そして霧多布岬へ。ラッコ2匹を見ることができました。少し遠かったので、望遠鏡では見えるのですが、写真ではうまく写せませんでした。ヒオウギアヤメなどのお花は近くて見ることができました。
厚岸町漁協の売店で、新鮮なソイなどの魚や牡蠣などを見た後、かつて「熊しか乗らない」といわれた道東高速道路の無料区間を通り、釧路市の湿原展望台を訪問しました。博物館では周氷河地形の谷地坊主のモデルがあったり、湿原の生物を学ぶことができたりと、興味深い展示で勉強した後、3階の展望台から釧路湿原を一望しました。やや霞んでいましたが、遠くまで見渡すことができました。
レンタカーを返却し、ホテルにチェックインした後、今回の大巡検の打ち上げで釧路市街の飲食店に行きました。ウニやザンギ、(カラフトシシャモではなく)本物のシシャモなどは今回の大巡検で初めて食べる機会となりました。
明日は8時に釧路駅で集合の後、バスで釧路空港に向かい、羽田経由で戻ります。近畿地方は(速報値で)今日、過去一番の早さで梅雨明けしたそうです。今日の釧路の最高気温は23.4℃でしたが、明日の奈良の最高気温は34℃とのこと。奈良に戻ってからの体調管理には万全を尽くす必要があります。
今日は結構、レンタカーで走りました。走行距離は252kmでした。
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【4日目:2025年6月26日(木)】
朝9:30にウトロのホテル前に集合し、乗合船で知床半島沿いに進み、知床岬までの海岸地形を観察しました。雲の向こうには国後島が見えました。乗船中にヒグマやイルカが見えているとのアナウンスがありましたが、見つけることはできませんでした。
下船後、少し遅い昼食として「道の駅うとろ」でホッケを食べました。この道の駅には、ゴミの回収が有料であるとの掲示があり、世界自然遺産に指定されてから観光客が増え、ゴミ問題に苦しむ地元の姿が垣間見えました。
知床横断道路で、知床峠へ。国後島がよく見えます。ここでは、ハイマツ植生や周氷河地形について、実物を見ながら学びました。本州(北アルプスなど)では2500mを越えないとみられないハイマツ林が、高緯度のため標高738mしかない知床峠で見ることができます。また、6月下旬というのに、日陰には雪が残り、その周辺にはフキノトウが顔を出していました。
羅臼側に降りてきました。雪を触った学生は、エキノコックス症にかからないように、石けんで良く手を洗いました。道の駅羅臼は、海産物が充実しているので、ここでお土産を買いました。知床峠の北と南に位置するウトロと羅臼で、売られている海産物が少し異なるのは、興味深いです。
今日は標津のホテルに宿泊で、温泉はアルカリ性(pH9.1)の「お肌すべすべ」温泉です。チェックイン後、夕食を食べに「そば処 福住総本店」へ。北海道内でよく見る「そば処 福住」の総本店は標津にあります。・・・そういえば、大巡検1日目の夕食は「弟子屈ラーメン総本店」でしたし、昨年秋の小巡検は京都北白川の「天下一品総本店」に行ったことを思い出しました。
今日は10:00~14:00に船に乗っていたこともあって、レンタカー走行距離は85kmだけでした。
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【3日目:2025年6月25日(水)】
朝9:00に網走を出発し、オホーツク海を左手に見ながら知床に向かいました。最初に訪問したのは「天に続く道」。28.1kmまっすぐに続く続く道は、明治30年代の殖産区画の名残です。まっすぐな道路ですが、起伏があるために立体的に見えます。「天に続く道」という名前のセンスの良さが感じられる、比較的新しい観光地です。
そして、オシンコシンの滝へ。落差約30mの滝が2本に分かれています。今日は水量が多く、滝のしぶきによる潜熱効果で、滝の周りは涼しく感じました。なお、「オシンコシン」とはアイヌ語で「エゾマツが群生するところ」という意味です。このエゾマツやトドマツは、北海道の山林ではよくみる樹種で、昨日の神の子池で両方を見分ける方法を学生たちは学んでいます。
昼食はウトロ漁協婦人部食堂で、イクラ丼を食べました。イクラのおいしさはもちろん、量の多さには驚きました。大巡検では、現地の食を楽しむことも、重要な学びです。
その後、予約をして、3時間かけて知床五湖のすべて(プラスこの季節だけに見られる「3.5湖」も!)を案内してもらえる(有料)ガイドツアーに参加しました。6月はヒグマの活動期のため、熟練したガイドさんの引率がないと入れないコースです。今日は暑かったですが、晴天で風が弱かったため、6つの湖と知床連山を美しく見ることができました。二湖に知床連山の姿が鏡面反射しています。
ホテルにチェックイン後、なかなか予約の取れないウトロ夕陽台の「潮風」で夕食を楽しみました。(斜里川で飛び跳ねていた)サクラマスの塩焼きやルイベ(半解凍のお刺身)は、北海道の旬のおいしさでした。
本日のレンタカー走行距離は122kmでした。
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【2日目:2025年6月24日(火)】
朝8:55に川湯温泉を出発し、まずは裏摩周展望台へ。今日も非常に良い天気で、間近に青い摩周湖を見られるという絶景を楽しむことができました。
次に、近くの神の子池へ。5mの深さを感じさせない透明さと、水の青さが素晴らしい場所です。ここは、摩周湖の伏流水が湧出していると考えられています。
斜里川の、さくらの滝ではサクラマスが滝を飛び越えようとして次々とジャンプする姿が見られました。
昼食は、「道の駅さっつる」のレストランでソーツカツ丼を食べました。北海道庁から「北のめぐみ愛食レストラン」に認定されているレストランです。
今日の網走地方は29℃まで気温が上がり、とても暑く感じました。そこで今日のスイーツは、「道の駅ひがしもこと」のノンキー焼とソフトクリームのセットです。旧東藻琴村の乳製品はとても美味しいことが知られています。このノンキーとは大空町に合併される前の旧東藻琴村で使われてきた牛のキャラクターですが、市町村合併の後も合併前のキャラクターが推されているのは珍しい例かもしれません。
午後は、(現)網走刑務所の刑務作業所製品展示場を見学し、なかなか本州では手に入らない石けんを購入できました。そして、(移設後の)網走監獄で、寒冷地の暮らしと観光地の形成について学びました。見学を通して、映画の影響が大きかったこと、ちょうどバブルの時代に大規模な立て替えがあったために旧施設の移設・観光地化ができたことが分かりました。当時の状況を説明するために展示されている人形の多さと多様性には驚きました。たしかに映画「網走番外地」を知らない人たちにも観光地・網走監獄は知られており、流氷のない時期でも網走を訪問する国内外からの観光客は絶えません。
網走中心街のホテルにチェックインしたあと、夕食は網走ビール館へ。焼き肉とともに、ビールを飲む人は色とりどりの地ビールを、アルコールが苦手な人は北海道らしいソフトドリンクを堪能しました。
本日のレンタカー走行距離は150kmでした。
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【1日目:2025年6月23日(月)】
朝8:15に釧路駅前のレンタカー屋で集合し、大巡検がスタートしました。まずは阿寒湖へ。阿寒湖周辺の地形やマリモについてあらかじめ調べていたことを、現物を見ながら見ながら確認しました。昼食には、阿寒湖で取れたワカサギ天丼を食べ、漁業や観光についても体験しました。
表摩周湖展望台へ。「霧の摩周湖」ではなく、とても良い天気で摩周湖を見ることができました。新しく整備された第1展望台は混んでいましたが、静かな第3展望台では世界有数の透明度を誇る水の青さを見ることができました。
アトサヌプリ(硫黄山)では、小さな噴気孔までの距離が、なんと0cm!立ち入り禁止の柵の手前側に、いくつも噴気孔があります。火山を学ぼうとする学生には、貴重な体験になったと思います。
つい先日のゼミ論文講読で、御神渡りについて学んだ屈斜路(くっしゃろ)湖にも行きました。砂湯の駐車場では、最近はほとんど聞かなくなった「クッシー」がお出迎えしてくれました。冬には厚い氷が張るので湖上を歩けるのですが、この時期には氷はないので、やむなくボートを借りて現地を確認しました。
夕食で弟子屈(てしかが)ラーメンを食べ、地元スーパー「フクハラ」(本社は帯広)で現地の食材を見学して、明日の朝食を買い込み、川湯温泉のホテルに宿泊です。pH1.6という強酸性の温泉を楽しんだようです。
本日のレンタカー走行距離は186kmでした。
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【0日目:2025年6月22日(日)】
今回の大巡検は、木村ゼミ3年生全員が「月曜日の朝、釧路に現地集合!」です。このため、学生も教員も釧路で前泊になります。
担当教員は、飛行機で釧路入りしました。釧路の近くでは、海霧が陸地に流入しているところが見られました。
釧路といえば、釧路川にかかる弊舞橋がランドマークで、釧路川岸には温室植物園を併設する商業施設MOOがあります。
日曜日の午後に釧路に到着したので、「勝手丼」の和商市場は定休日、お蕎麦の竹老園 東家総本店も閉店後でした。残るは釧路のソウルフードの一角を占めるスパカツ・・・。