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【教員著書紹介】文化財学科・原口志津子教授の著書が刊行されました。『本法寺蔵法華経曼荼羅図-法華経をめぐるイメージの世界-』『描かれた法華経【アジア遊学301】』

文学部文化財学科の原口志津子教授(日本美術史、説話画)の著書を2冊ご紹介します。
『本法寺蔵法華経曼荼羅図-法華経をめぐるイメージの世界-』
『描かれた法華経【アジア遊学301】』

原口教授は日本美術史が専門ですが、特に鎌倉時代の掛幅「法華経曼荼羅図」について長年研究してきました。
今回ご紹介する著書も「法華経曼荼羅図」に関連する内容で、美術史だけでなく、国文学や歴史学など多角的な視点から考究しています。
原口教授著書の詳細は以下のサイトでもご覧いただけます(法藏館サイトへ)。
https://pub.hozokan.co.jp/author/a223461.html

本法寺蔵法華経曼荼羅図
-法華経をめぐるイメージの世界-

法藏館、2024年6月刊行

■解説■
富山・本法寺蔵法華経曼荼羅図(重要文化財)の全体像と拡大図をカラーで掲載。色彩豊かで『一遍聖絵』に匹敵する豊富な画像情報を、仏教の注釈書や唱導、歴史資料から丁寧に解説した解説を含む。

■目次■
各幅解説
拡大図・本法寺法要・所蔵文書
本法寺蔵法華経曼荼羅図について
はじめに

一、作品概要
法量・員数・文化財指定/所蔵寺院・本法寺について/研究史
二、描かれた内容
教学的内容/説教・唱導・直談に関わる内容/小結/律宗の活動との関わり
三、画中墨書と附属文書
画中年紀/絵師の画中銘/「勧進僧浄信」の記銘/修復・補作記録「古表具之裏書」/出開帳記録・模写記録
四、伝来
海中出現/曼陀羅寺/寄進者神保氏
五、美術的特徴
構図の特徴/水墨画技法の受容/風俗における慣用句・常套表現の利用

参考文献


  

描かれた法華経【アジア遊学301】

勉誠社、2025年3月刊行

■解説■
富山本法寺に伝わる重要文化財「法華経曼荼羅図」は二十二幅一具という規模を有する。その内容は法華経の経文や注釈書に基づく場面ばかりではなく、説経や説話に基づく図像も含み、十四世紀の心性や文化を今に伝える貴重資料である。

豊富な画像情報には、建築や仏像・仏画を制作する場面や法要、舞楽のほか、牛耕、田植え、稲刈り、製油、製薬、鍼灸、風呂・湯屋、鉱脈ダウジング、井戸掘り、商売、物見遊山、草履作りなどの風俗描写が含まれており、「一遍聖絵」に匹敵する鎌倉時代末期の絵画資料として、近年諸分野からの注目を集めている。
本書では、美術史研究のみならず、国文学や歴史学の視点より本法寺本を多角的に考究。その所蔵流転を明らかにし、鎌倉時代末期の律僧の活動として、本法寺本を位置づけ、さらには本法寺本に描かれた説話内容を通じて学僧の世界と在俗者の交流実態を明らかにする。

■目次■
カラー口絵

刊行に寄せて 原口志津子

Ⅰ 本法寺本の伝来・史的位置づけ
明応の政変と本法寺蔵「法華経曼荼羅図」 松山充宏
足利義材と五山派禅宗寺院の人事 髙鳥廉
Ⅱ 本法寺本の美術史的位置づけ
本法寺蔵「法華経曼荼羅図」に見る浄土のイメージ―宝樹を中心に 鴈野佳世子
本法寺蔵「法華経曼荼羅図」と版本細字法華経―構図と図様の比較から 小林知美
中世律宗絵画としての本法寺蔵「法華経曼荼羅図」 瀬谷愛
「一遍聖絵」にみられる法華経経意絵的モチーフについて 五月女晴恵
本法寺蔵「法華経曼荼羅図」に見る龍女と金翅鳥の図像ほか二、三の問題 原口志津子
Ⅲ 説話の宝庫としての本法寺本
本法寺蔵「法華経曼荼羅図」薬草喩品第五における救済のモチーフ 小林直樹
本法寺蔵「法華経曼荼羅図」における絵画化されるテクストの位相 本井牧子

本法寺蔵「法華経曼荼羅図」描き起こし図作成レポート 石崎誠和

編集後記 原口志津子

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