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【地理学科 トピックス】木村教授のゼミが秋の小巡検を行いました<大阪府堺市~和泉市>

奈良大学地理学科では、ゼミの一環として積極的にフィールドワークも行っています。

木村圭司教授(地理学、気候学、地理情報システム(GIS)、リモートセンシング)のゼミでは、2025年秋の小巡検として、大阪府堺市南部(栂・美木多駅~旧:和泉国大鳥郡別所村)から和泉市北部(旧:和泉国泉郡北田中村)にかけて訪問しました。訪問の目的は以下の4つで、自然系・人文系・情報系をまたぐ、多岐にわたる内容のフィールドワークを行いました。
①GISで解析した傾斜勾配・可視領域の実体験
②大阪近郊の果物栽培と観光農園に関する簡易調査
③泉北ニュータウンと栂・美木多駅
④泉北丘陵の地形

集合&解散は、今年4月に泉北高速鉄道から南海電気鉄道泉北線に変わったばかりの栂・美木多駅です。駅前で、丘陵地に作られた泉北ニュータウンについて、大阪府内の学習塾の勢力についてなどの説明がありました。

駅前から、谷沿いの旧集落沿いにバスで別所南まで移動し、短い時間ですが車窓観察をしました。泉北丘陵の地形や植生、台地の上にはニュータウンが広がっていることなど、高の原周辺と比較しながら観察しました。

別所南バス停から少し歩いて、観光農園に行きました。この時期は、芋掘りとミカン狩りが行われていますが、時期によってはイチゴ狩りやブドウ狩りなどもできます。お客さんの大半は、バスで来ている大阪府内の小学生の団体や、自家用車で来ているご家族でした。堺市南部から和泉市にかけての丘陵地では、古くからみかん栽培が行われており、大正時代には都道府県別のミカンの生産量が2位になったことがあるぐらいです。

調査地域について、あらかじめGISで斜面の傾斜・勾配を計算し、地形をイメージして現地に入りました。今回の調査地は、ミカン畑として整理されていますが、急な斜面を安全に上り下りすることもできるため、GISであらかじめ計算していた斜面を体感するには非常によいフィールドです。また、丘の上からは尾根筋を超えて大阪平野が見えました。巡検後の課題として、GISでの「可視領域」の計算を行い、「どこがみえていたのか」をチェックします。・・・甘くておいしい温州(うんしゅう)ミカンでした。また、ブドウ狩りが終わってブドウ棚の整理をしたそうで、おいしいブドウを安く分けてもらいました。

そして、市境であり流域境でもある峠を越え、和泉市側に入ります。街道沿いの古くからの家は、2階が低い「厨子(つし)二階」になっていることや、屋根が上に凸型のカーブを描く「むくり屋根」になっていることを観察しました。

当日は、曇りがちで、短時間小雨も降りましたが、ようやく暑さが一段落して、多くのことを観察できる、よい巡検となりました。

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ぜひ見てください。

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