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2024.05.20
朝来経塚群発掘調査報告書を刊行しました!
今から約40年前の1985年、和歌山県上富田町史編纂委員会の依頼を受けた奈良大学の故 水野正好名誉教授(当時、教授)は、学生と共に朝来経塚の調査を実施しました。その結果、古式の前方後円墳、中世墓、一字一石経塚などを確認し、上富田町史にその概要を記しています。
しかし、発掘調査の正式な報告書は刊行されないまま、出土品は長らく奈良大学に保管されていました。このような中、経塚を研究する学生から、出土品の再整理をしたいとの申し出がありました。水野先生の教えを受けた本校の卒業生である相原教授が着任したこともあり、報告書の作成に向けて再整理作業が動き出します。40年も前の調査で、当時の調査を知る人が少なく、残された資料も限られていましたが、上富田町教育委員会や土地所有者の協力を得て、現地の補足調査を実施することもできました。
これら補足調査や出土品の再整理作業の過程で、遺跡の性格について、当時とは異なる見解を示すことになりましたが、これも考古学の進歩と考えられます。
これらの成果を取り纏め、真っ赤な表紙の報告書を刊行しました(赤色は水野先生の報告書カラーです)。
※報告書は奈良文化財研究所の全国報告書総覧で公開されています
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/search?all=%E6%9C%9D%E6%9D%A5%E7%B5%8C%E5%A1%9A%E7%BE%A4
【奈良大学文学部文化財学科のモットーは「現地現物主義」です】