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【文化財学科 トピックス】福岡&長崎の保存科学研究者(うち1名は本学卒業生)による特別講義!

11月24日(月)と25日(火)に、奈良大学で保存科学関連の特別授業が行われました。

講師はいずれも学外の研究者で、本学の今津節生学長(文化財科学、保存科学)が行っているトレハロースを使った海中出土資料の保存処理に関する研究で、本学を訪れたものです。

24日に授業をしてくださったのは福岡県の九州歴史資料館で保存科学を担当している小林啓(こばやしあきら)さんで、九州歴史資料館で進められている船原古墳出土資料の保存処理についてご紹介いただきました。
福岡県古賀市の船原古墳は、埋葬主体ではない土壙から、馬具や武器、武具類といった豪華な遺物が大量に出土したことで知られています。現在、報告書作成に向けた保存処理や調査研究が行われ、数々の成果により注目を集めています。
小林さんからは、特に日本でも出土例が無い、あるいは限られる、特殊な馬具3種類について、材質や構造調査の進め方、そして復元品の製作について説明がありました。これらの作業は決して一人でできるものではなく、専門家同士が連携して初めて重要な成果につながるというお話が、何より印象的でした。

小林さんの授業の様子

翌25日には、長崎県にある松浦市埋蔵文化財センターの安木由美(やすきゆみ)さんに担当いただきました。安木さんは本学卒業生で、現在は水中考古学で知られている松浦市鷹島海底遺跡出土資料の保存処理を担当しています。
元寇沈没船の船体や碇など、海底から出土する貴重な資料は、非常に大きく、また海中出土品特有の腐食などもあり、保存処理には難しい作業が必要です。
奈良大学でも普段から講義で水中考古学を扱っていますが、最前線の現場で日々、資料と向き合っている研究者のお話は、より具体的で重みのあるものでした。講義の最後には後輩たちに向けてのエールも送っていただきました。

安木さんの調査内容は新聞でも紹介されています。
【外部リンク:読売新聞(2025.3.30付)】元寇船の「いかり」保存について

https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250330-OYTNT50026/

安木さんの授業の様子

お二人ともお忙しい本務の合間を縫っての講義で、準備なども大変だったかと思いますが、学生にはとても貴重な時間になりました。また授業以外でも保存科学実習室などで学生にご自身の経験をお話しいただく場面もありました。本当にありがとうございました。

文化財学科ページでは、その他の学科ニュースも紹介しています。
ぜひ見てください。

保存科学実習の授業に飛び入り参加
学生も参加しての研究に関する討議

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