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2026年6月14日(日)、奈良大学文学部史学科のバス見学会を実施しました。

 2026年6月14日(日)、奈良大学文学部史学科のバス見学会を実施しました。参加学生は、1回生を中心に24名で、史学科教員の木下光生と奥本武裕が引率しました。

 行き先は、延暦寺、三井寺(園城寺)、大津市歴史博物館です。

 午前中は、延暦寺へ。延暦寺を構成する東塔、西塔、横川のうち、東塔の中心をなす根本中堂は、あいにく改修工事中でしたが、逆に改修中であるがゆえに、工事現場の足場から、屋根などを見下ろすことができました。

改修工事中の根本中堂。

 1780(安永9)年の『都名所図会』に掲載された延暦寺の境内図を片手に歩いてみたところ、『都名所図会』中の「戒壇堂」(戒壇院)と「講堂」(大講堂)の表記が逆になっていることに気づきました。やはり、「現場」を歩くことは、歴史学の基本作業たる史料批判のうえでも大事ですね。

赤矢印の表記が逆の模様。

 大講堂の前にある鐘は、1991(平成3)年に「佐川急便グループ会長 佐川清」が「願主」となって奉納されたものでした。この鐘は、『都名所図会』でも「鐘堂」として登場します。

「願主 佐川急便グループ 会長 佐川清」と刻印されています。
『都名所図会』だとココ。

 午後からは三井寺方面へ。まずは、大津市歴史博物館に行き、常設展を見学しました。とても充実した内容で、学生たちも熱心に見入っていました。

 最後に三井寺(園城寺)へ。ここでも1814(文化11)年の『近江名所図会』を頼りに境内を散策し、同書の描写が意外と実態に忠実であることがわかりました。

『近江名所図会』の「三井寺園城寺」境内図。滋賀県立図書館「近江デジタル歴史街道」より。
矢印の坂を上っていくと、西国三十三ヵ所巡りの第十四番札所ともなっていた、三井寺の観音堂(正法寺)があります。
ココが、現在の観音堂となります。『近江名所図会』では、「三井寺正法寺 札所観音」の「本堂」と表記されています。
観音堂内には、西国三十三ヵ所巡りに関する奉納額がたくさん掲げられています。写真の右側の額は、1841(天保12)年に「大坂北堀江三丁目 阿波屋利兵衛」が奉納したもの、左側は、年未詳ながら「大津上馬場 斎春楼」の女性たちが奉納したものとなっています。ほかにも、江戸、和歌山、摂津西宮の奉納額もあり、三井寺が広域の人びとによって支えられていた様子がうかがいます。
中国やシンガポールからの留学生も参加してくれました。
最後に仁王門前で記念撮影。皆さん、お疲れさまでした。
『近江名所図会』だとココ。「二王門」と表記されています。

 お世話になった延暦寺、三井寺、大津市歴史博物館、そして奈良観光バスの皆さんに厚くお礼申し上げます。

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