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【文化財学科トピックス】美術史実習の講義で興福寺五重塔修理現場を見学

 奈良大学文化財学科では、3年生から考古学・保存科学・美術史のそれぞれの実習を選んで受講します。美術史実習では、博物館・美術館や寺社を訪れて実物を鑑賞する機会を作っています。
 このたび、興福寺及び奈良県地域創造部文化財保存事務所の格別のご高配を得て、現在修理工事が行われている興福寺五重塔の修理現場の見学を行いました。
 応永33年(1426)に建立された五重塔は、幾度もの修理を経て今日まで伝わってきました。明治33年(1900)以来となる今回の修理では、屋根瓦の全面葺替え及び軒廻り・造作等の木部修理、漆喰壁の塗り直しを行います。この修理のため、五重塔は巨大な「素屋根」とよばれる全天候型足場にすっぽりと包まれています。
 巨大な素屋根に足を踏み入れ、ヘルメットをかぶって、見学開始。興福寺の多川文彦境内管理室次長から解説をいただきました。工事着工後の調査で、初層大斗の破損が甚大なため交換が必要との判断が示され、修理計画を変更。初層より上をジャッキアップして部材交換を行う難工事が追加されたことで、工期が2年伸びたことを教えていただきました。大斗の潰れ具合の違いも説明を聞けば一目瞭然、破損状況を把握することができました。
 その後最上層まで息を切らせながら登り、屋根の部材の状況や、降ろされた相輪の各部材を間近に見学しました。巨大鋳造品である相輪からは鋳造の工程や製作状況もうかがえました。受講生たちは、大規模な建造物の修理工事の現場を体感し、圧倒されるとともに、文化財を維持継承することの重要性を、改めて考える機会となったと思います。
 五重塔の修理事業は令和16年(2034)まで続きます。素屋根が撤去されて塔影が私たちの前に姿を表すのは、まだまだ随分先のことです。
【奈良大学文学部文化財学科のモットーは「現地現物主義」です】

素屋根初層で説明を拝聴
素屋根上層で説明を拝聴
五重塔第五層の屋根と軒廻りを間近に見学
相輪部材の間から塔の露盤を見上げる
素屋根のようす
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