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学校法人創立100周年記念・日本女性会議2025橿原との連携事業として公開講演会 「日本の始まりを生きた女性たちから現代女性へのメッセージ」を開催しました

1月23日(金)に奈良大学の令和館で開催し、約250名が参加しました。
この講演会では、日本古代史、民話、上代文学、女性医学といった異なる分野の専門的な知見をもとに、女性の姿をさまざまな角度から紹介し、男女共同参画の未来について考察する、奈良大学ならではの学際的な取り組みです。

開催にあたり、今津節生学長(文化財科学、保存科学)より挨拶がありました。令和7年度は、奈良大学を運営する学校法人奈良大学の創立100周年にあたり、昨年から記念事業として学術的な講演会やシンポジウムを開催してきており、本講演会がその3つめとなると述べました。

学長から挨拶

最初に島本太香子教授(公衆衛生学、産婦人科学、女性医学、男女共同参画)から、この公開講演会の趣旨説明がありました。自らが実行委員会副委員長をつとめ、昨年10月に奈良県橿原市で開催された日本女性会議2025橿原との連携事業として、古代と現代をつなぎ、女性の生き方や社会での活躍について、学際的に考える場を設け、より豊かな男女共同参画社会の形成に寄与していきたいと述べました。

趣旨説明;島本教授

講演1は、寺崎保広名誉教授が「光明皇后と聖武天皇」の演題で、奈良時代を代表する聖武天皇と、その皇后となった藤原不比等の娘・光明子に焦点を当て、二人の関係性や時代に果たした役割を解説しました。

講演1;寺崎名誉教授

講演2は、高島葉子教授(比較文化学)が、「山姥に見る女性像(神話、昔話、童話)」と題して、伝承の山姥は鬼、神、母と、多様な顔を持ち、時代によってその像は異なること、神話から現代の物語の山姥像を通して、女性像の変化を述べました

講演2;高島教授

講演3は、「万葉集からみる女性像」と題して、鈴木喬准教授(上代文学)が、能力によって歌の場に参加(歌集に収載)し、女性は女性の特質を生かし活躍し、歌(国文学)の歴史において、女性の歌が大きく寄与していることを紹介しました。

講演3;鈴木准教授

講演4では、「現代と過去の女性のライフコースの違い(リプロダクティブヘルスの視点で)」と題し、島本太香子教授(公衆衛生学、産婦人科学、女性医学、男女共同参)が、統計がある100年間のデータをもとに、QOL(quality of life:生活の質)や健康課題を比較し、だれもが生き生きと健やかに生きるウェルビーイングについて説明しました。

講演4;島本教授

講演会の後半は、講演者全員が登壇し、それぞれの専門的な立場から意見交換を行いました。

奈良時代の歴史から、天災や難しい人間関係の中でも、光明皇后が政治的な補佐をしながらも自分の立場を生き抜いた強さ、民間伝承からは、人々の伝承の中にその時代の女性のイメージが反映され、時としてその女性像が社会を動かす存在となること、万葉集の研究からは、古代女性は歌を通して、女性の特質を生かして活躍してきたこと、女性医学からは、過去の女性が命を落とす原因、次の世代を生むための医療が整備された現代は新たな健康課題に向き合っていること、などを参加者と共有しました。

意見交換の様子1
意見交換の様子2
意見交換の様子3

最後に、島本太香子教授(公衆衛生学、産婦人科学、女性医学、男女共同参)が、「今回のいずれの講演からも、過去の女性の力強いエールを受け止めました。またその女性たちを見守る男性の存在にも、私は注目したいと思いました。これからの女性像を作っていくのは私たちです。男性も女性もお互いの特性を理解しあい、だれもが生き生きと活躍できる社会を、私たちが築いていきましょう。」 と述べ、講演会を締めくくりました。

登壇者全員

本学の学生も受講し、「今回の講座で、歴史、民話、万葉集が、時代ごとの女性観や女性の生き方を反映していることに気づいた。」、「時代による違いだけでなく、女性のライフコースの多様性を考える機会になった。」、「今までよく知らなかった分野で、ジェンダーの課題を考えたことで、自分が学んだことのない分野へ興味が広がった。」などの感想が聞かれました。

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