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2026.02.04
【国文学科 トピックス】学外授業「実地見学踏査」で葛城山、一言主神社を巡りました
1月25日(日)に、授業「実地見学踏査」で葛城山、一言主神社を巡りました。担当は鈴木喬先生(専門:上代文学)です。

奈良大学国文学科の「実地見学踏査」は文学故地を実際に歩き、奈良そのものを教材として学びます。奈良大学の特色ある授業の一つです。
奈良大学(奈良市)から見ると大きな山塊にみえる葛城山(959メートル)は、奈良県と大阪府の境にあり、古代では南の金剛山(1115メートル)・北の二上山などの連山の総称とされます。
歌にあるように、葛城山は高い山であるため、平時も雲がかかります。当日は、奈良では滅多に降らない雪が降り積もっていました。
・春柳 葛城山に立つ雲の 立ちても居ても 妹(いも)をしそ思ふ 巻11・2453
訳)(春柳)葛城山に立つ雲のように...、立っても座っていても、いつもいつもあの子のことを思ってしまう。
※「春柳」は葛城にかかる枕詞。春柳をかづらにするところから、葛城にかかるとされます。
雪雲のカーテンがかかっていましたが、奈良や大阪の景色を眺めることができました。雪景色とともに普段とは異なる景を楽しむことができました。






『古事記』『日本書紀』において、葛城山には一言主神がいるとされ、人間(雄略天皇)と交流する場面が描かれています。
また葛城山は山林修行者の道場でもあり、修験道の開祖である役小角をはじめ数多くの山林修行者が集まっていました。特に役小角の一言主神の呪縛の伝説は有名です。
そのような一言主神をお祀りするのが御所市大字森脇にある一言主神社です。


平安時代の「延喜式」神名帳にその名がみえ、平安時代からその存在が知られています。俗に「一言神・イチゴンジンさん」と称され、「一言の願いであれば何ごとでもお聴き下さる神様」として信仰されています。
ご祭神は事代主命・雄略天皇、そして一言主神。
一言主神は、自ら「吾は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言離(ことさか)の神、葛城一言主の大神なり」と称して、凶事も吉事も一言で解決する神とされます。一言で願いをきいてくれるという信仰は今も強く残っています(一言主をお参りする際は、参拝するまで(願い事を言うまで)朝から何もしゃべってはいけないという習俗も)。
この日も参拝客が後を絶たず、一言主神にお願いをする人の列ができていました。
「万葉歌碑」
葛城地方は古代葛城氏の本貫地でした。この葛城氏は四世紀から五世紀にわたって最も栄え、その勢力は大王家(天皇家)と並ぶほどでした。その葛城氏の祖と仰がれ、四世紀末前後の英雄であったのが葛城襲津彦です。万葉集にはその襲津彦の名を詠み込んだ恋歌が伝えられています。
・葛城の 襲津彦真弓(そつひこまゆみ) 荒木にも 頼めや君が 我が名告(なの)りけむ 巻⑪・2639
訳)高城の襲津彦の弓、その荒木のようにしっかりと、頼りにする気であなたは、私の名を人に明かしたのでしょうか。


学生と先生で一緒に、今年も「一陽来復守り」をいただき絵馬に願いを記しました。
みなさまにとっても良い一年でありますように。
