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正倉院御物修繕還納目録

正倉院御物修繕還納目録 -開題と翻刻-

正倉院宝物は、古代の文物が地中に埋もれることなく、今日まで伝えられてきた点で、世界に類のない文化財として高い評価を受けています。実際、木や紙、繊維製品などが当時のままに見られるのは、奇跡といっても言い過ぎではありません。
しかしこの宝物も、中世から近世には放置され、明治になって宝物の価値が再認識されたときには、傷みの進んだものが少なくありませんでした。それが今日見るような姿になったのは、明治中期に行なわれた大掛かりな整理と復原作業の結果です。
この事業のことは、一般にはほとんど知られていませんが、関連の記録が東京国立博物館に所蔵されています。この本はその中から、修理の経過や内容を知る上に重要な記録を取り上げ、解説と索引を加えて公刊したものです。奈良時代そのままのように見える宝物の、どこが明治に補われたものかなど、宝物の現状を理解するためには必須の手引きとなるでしょう。

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