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奈良の好きなところは?とうかがうと「時代に取り残されたようなところ」という答えが返ってきた。
そんな永井先生は、江戸時代の庶民文芸と出版事情の面白さにとりつかれて35年…だそうだ。
研究室は机の上も本だなも和綴の本でぎっしりと埋まっているし、これまで買い集めてきた版木もすでに4,000枚以上にものぼる。
中でも芭蕉の「奥のほそ道」寛政版の版木は学界でも注目されている貴重なものだ。
「なかなか版木は残らないものだけど、版木を調べると当時の出版事情が手に取るようにわかる」と版木を見つめる先生の表情は、過去と語り合っているよう。
近世町人の人間くささが伝わってくるような講義に、江戸時代という過去がぐんと身近に感じられるようになりそうだ。
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