奈良大学文学部史学科

史学科の受験を考えている皆さんへ

 奈良大学史学科は、歴史を学ぶところです。高校の教科でいえば「日本史」や「世界史」にあたりますが、実際には高校の歴史の授業とはかなり違います。

 「考える歴史学」ーというのが奈良大学史学科のキャッチフレーズになっています。私はこのフレーズが個人的にはあまり好きではありません。「考えない歴史学なんてない」から「あたりまえではないか」というリクツです。しかし、これは改めて考えてみると「暗記するのが歴史だ」という考え方に対する反論としての言い方なのでしょう。
 「日本史」や「世界史」の試験となると、どうしても沢山の知識を持っているかどうか、を問う問題になり、暗記力が試されることになってしまいます。私たちが入学試験を作るときも、そうなってしまうことは否めません。
 しかし、「暗記する歴史学」が面白いはずがないじゃないですか。歴史を「考える」ことによって、事実があきらかになり、そのことが歴史を学ぶ最大の楽しさなのです。そして、それは何も歴史学だけではないでしょう。文学でも考古学でも経済学でも基本は同じだと思います。つまり、大学で学ぶとは、どのような分野であっても一つのことを深く考え、事実を明らかにすることであって、そうした勉強を一生懸命におこなったという経験こそが、その人にとって大切なことだと考えます。

 わが史学科では、歴史が好きで、歴史の中の疑問点を解明するためにさまざまな材料をもとにして深く考えてみたい、という意欲のある生徒諸君を待っています。史学科には、日本史・東洋史・西洋史の各地域、そして、それぞれの地域について、日本中世史とか、西洋近代史というように時代別に教員を揃えています。ですから、どこの歴史でも、いつの歴史でも対応できる充実したスタッフというのが「ウリ」なのです。

 あらためて、歴史の面白さについていえば、それは「具体的な事実」を積み重ねていって、その時代を「体感すること」ではないかと思います。そのためには材料(歴史学の場合は史料といいます)をしっかりと読み解かなければなりません。古文書だったり漢文史料だったりしますが、当時の人が書き残した文章を正しく読みとり、そこからさまざまな事実を拾い出し、自分があたかもそこにいるように、時代の雰囲気が感じられれば、こんなに楽しいことはありません。
 とかく武将たちの戦いとか政治家たちのカケヒキとかに興味が集中しがちですが、それだけが歴史の楽しさではありません。私たちが興味を持つのは、さまざまな人間の営みです。1300年前の奈良の都に住む人々は、どのような環境のなかで、どのような生活をしていたのか、そこで何を食べて何を考えていたのか、今と変わらないのか、どこが違っているのか。わからないことだらけですが、少しでも新しい事実が判明すれば、視野が大きく開けてきます。そのためにこだわるべきは「細部の事実」なのだと思います。(寺崎保広)

<角谷常子教授「『始皇帝の父』とその時代」(高校生に語る東洋史の楽しさ)>完結!

<寺崎教授の「平城京の役人の世界」(高校生に語る日本史の楽しさ)>も好評です。

<寺崎教授の「正倉院の宝物」(高校生に語る日本史の楽しさ 2)>全4回で完結!

<史学科オープンキャンパスへの招待>に展示会の写真を掲載しました。