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心理学科からのお知らせ

2022/06/06

ニュース

4月より心理学科に新しく着任された、金澤忠博先生を紹介します。
ご担当科目 「心理学概論」「知覚・認知心理学」「心理学実験」「社会心理学演習」「社会心理学特殊講義」「基礎演習」 等 

自己紹介

これまでの歩み

奥信濃の豪雪地帯(積雪4m)に生まれ、スキーは自称プロ並みです。高校では合唱部に所属し3年間市民会館でオペラを演じました。鍛えたのどで今でもパバロッティをイメージしながらカンツォーネを歌います。

大学時代は、4年間北アルプスの玄関口の松本市にある信州大学人文学部で知覚心理学を学びました。在学中は単独で北アルプスの表銀座の縦走(燕岳~大天井岳~槍ヶ岳)をしたり、ふと思い立って、上高地を目指して月夜に徳合(とくごう)峠を単独で越えたり、山岳部の友人と黒姫山の冬山登山を体験したり、若さに任せて無謀なチャレンジを繰り返していました。大学院は大阪大学人間科学研究科比較行動学研究室に進み、ニホンザルを対象に、行動の機能を進化的適応の観点から究明する比較行動学を学びました。主な研究フィールドは大阪府北部箕面山のニホンザル集団で、子ザルの発達や母子関係の研究をしました。修士論文は「ニホンザルにおける自己指向性攻撃行動」の研究で、当時は、自閉症の自傷行動を理解するための動物モデルと考えられました。同じ頃、府立病院の外来通所グループや大阪市内の通園施設などで自閉症研究をスタートさせました。自閉症研究は、その後現在に至るまで、私のライフワークです。その後、1990年から府立病院の医師との共同で出生体重1000g未満の超低出生体重(ELBW)児の心理学的予後を明らかにするためにフォローアップ研究を始めました。近年周産期医療の進歩によるELBW児の生存率が飛躍的に高まり、脳性麻痺や知的障害など重い神経学的障害の発生率も低く抑えられるようになってきましたが、学齢期に顕在化する学習障害やADHDや自閉スペクトラム症などの発達障害様の症状が比較的多く見られることが明らかになってきました。一部の成果をまとめた論文「学齢期における超低出生体重児の心理・行動研究」で1998年に博士(人間科学)を取得しました。

 

私の自閉症研究

私の自閉症研究の目的は、単に自閉症の心理・行動の特徴を明らかにするだけでなく、効果的な発達支援の方法を探ることです。40年前の研究開始時点から、府立病院や通園施設において行われていた治療教育にボランティアスタッフとして参加し、20年前からは毎年大学のプレイルームに自閉症児を招き、個別療育を行ってきました。基本的には半年から1年間の療育ですが、最長13年間の長期にわたり療育を継続した事例もあります。

自閉症の発症率は、1975年には5000人に1人でしたが、年々増加し、2021年の報告では44人に1人となり、46年間で約114倍になっています(CDC, 2021)。現行の小学校のクラス定員は40名ですが、自閉症児は1クラスに1名いてもおかしくない割合で、さらに増え続けています。最近の研究で、自閉症の中核には、他者の気持ちや意図を推測する心の理論の障害があり、心の理論の前駆体として共同注意の障害もあるとされています。共同注意は発達の機軸スキルと言われます。機軸スキルとは、子どもの発達にとって重要な「軸」となる行動で、その改善が他の行動に影響を及ぼし、広汎な改善と般化を生み出し続けるものです。私の実践してきた療育では、言語機能の障害から発話が見られない自閉症児に音声言語の代わりに絵カードを用いた自発的コミュニケーションのスキルを獲得させる訓練(PECS)を行います。長年の実践を通してPECSの訓練が自発的コミュニケーションの獲得だけでなく共同注意の獲得につながる可能性が示されました。

 

プロフィール 

長野県飯山市出身。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。大阪大学人間科学部文部技官、文部教官助手を経て、梅花女子大学文学部助教授、現代人間科学部教授。2008年に大阪大学大学院人間科学研究科教授。2022年に奈良大学社会学部心理学科教授。大阪大学にて博士(人間科学)取得。大阪大学名誉教授。 

 

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