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心理学科からのお知らせ

2018/12/06

授業風景

「行動を観察する」 
       心理学科 臨床心理学基礎実習

 本科目は、臨床心理学の研究法に関する授業ですが、その中で「観察法」と呼ばれる研究法の導入として行っている実習の一コマを紹介したいと思います。 

 

  実習では3人1組になり、その内の1人は「観察者」、残りの2人は「被観察者」の役割を取ります。2人の「被観察者」の役割は、ある設定されたテーマ(例えば、「自分が大切にしていること」とか、「好きな食べ物を巡って」など)について自由に話をすることです。一方、「観察者」の役割は、「被観察者」の2人が対話している様子を、「姿勢」や「身振り」、「声の調子」など幾つかの観点から注意深く観察し、可能な範囲で観察した行動を記録することです。この実習では「観察者」は結構な集中力を求められますが、多くの学生はしっかりと取り組んでくれます。そして、全員が等しく「観察者」と「被観察者」役割を体験した後、どんなことを感じたり気づいたりしたか話し合い、実習体験をシェアします。

 

 先日、本実習を行った際の振り返りで、ある学生は「短い時間の間でも人はこんなにも多くの表情やしぐさをしていること」に驚き、また別の学生は「自分が話す時と相手の話を聞く時で、自分の行動が違うこと」に気づいたと報告してくれました。それ以外にも、例えば、自分が普段、相手にあまり注意を向けずに関わっていることに気づく等、自分の対人行動の癖やパターンに改めて気づく学生もいて、本実習は自己理解を深める機会にもなっているようです。

 

 臨床心理学の実践では、温かい関心と好奇心を持って、注意深く自他の行動を観察しながら来談者と関わることが大切ですが、本実習を通して学生たちがその難しさと面白さを感じてくれるととても嬉しく思います。

(心理学科 前田)

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