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2021/04/02

お知らせ

令和3年度 奈良大学入学式 入学許可宣言・学長式辞

入学許可宣言


文学部 国文学科 86名

文学部 史学科 136名

文学部 地理学科 68名

文学部 文化財学科 116名

通信教育部 文学部 文化財歴史学科 212名

社会学部 心理学科 100名

社会学部 総合社会学科 87名

文学研究科 文化財史料学専攻 博士前期課程 14名

社会学研究科 社会学専攻 修士課程 2名


 本学に入学を許可する。

 令和3年4月2日  奈良大学学長 清水哲郎

 

 

学長式辞


 奈良大学のキャンパスに吹く風にも暖かさを感じるようになり、新たな門出にふさわしい季節となりました。この春、奈良大学には通信教育部、文学部および社会学部、大学院合わせて821名が入学されました。奈良大学を代表して、皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。大学、あるいは、大学院への入学・進学に向けてコロナ禍での厳しい状況の中、一生懸命に取り組んでこられたことと思いますが、その努力に対しまして敬意を表しますとともに、これまで暖かい愛情をもって皆さんを支えてこられた御家族や関係者の方々にも心よりお祝い申し上げます。

 この度は入学式という、学生生活における重要な節目に当たる式典を中止するという重大な決断をいたしましたこと、まずはお詫び申し上げます。 入学式は、皆さんがこれまで歩んでこられた道程を振り返るとともに、次の新たな希望に満ちたステージへの第一歩となる記念すべき日であり、人生の区切りとして記憶に残る大切な一日です。とりわけ新入生の皆さん、そしてご家族、関係者の皆様にとっては、心待ちにされていたことと思います。

 しかし、新型コロナウイルスの感染がいまだ国内外で終息せず、変異株の流行が懸念される状況下で、奈良大学として入学式をどのような形で行うべきか慎重に検討してまいりました結果、講堂では、新入生が一同に会し、三密状態を回避できない可能性があることから、学生・教職員、関係各位の安全・安心を最優先に考え、また大学として感染拡大防止の社会的責任の観点から講堂での全体式典は中止することにいたしました。このような厳しい結論になりましたこと、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 さて、本学のキャンパスは、奈良市北西部ののどかな丘陵地に位置しており、緑豊かな自然と歴史遺産・伝統文化が息づく古都奈良、その全てが本学の学びのフィールドとなっています。1300年以上の歴史が息づくこの地に、奈良大学が誕生したのは1969年のことで、これまで2万7千人以上の卒業生を社会に送り出し、様々な分野で活躍しておられます。現在、文学部4学科と社会学部2学科、さらに大学院2研究科及び通信教育部が置かれ合計3821名の学生が在籍し、日々学業に励んでいます。

 文学部では、古都奈良の歴史遺産と伝統文化という本物の研究素材を目の前に、本物に触れ、感じる「生きた学問」の実践に取り組みながら、俯瞰的な視野と深い専門性を備えつつ、自ら考え、実社会で役立つ力を身につけ、主体的に行動できる人材を育成しております。一方、社会学部では、社会学・経済学・心理学を中心に、人間とは何か、人間と人間の関係、個人と社会の相互的関係、さらには、グローバル化した現代社会のさまざまな現象や課題をテーマに、実践的な教育・研究が行われ問題発見・解決型の人材を社会に輩出してきました。通信教育部(文学部文化財歴史学科)は、学びを志す全ての人により広く門戸を開くとともに、高齢社会を見据え、生涯学習時代にふさわしいものとして、2005年に開設され、現在10代から80代までの多様な学生の皆さん1289名が在籍しておられます。

 さて今日、国の内外では数多くの難題が山積しています。いわゆる地政学的リスク、開発途上国を中心とする人口増加問題、世界の食料問題、地球環境問題、新型コロナウイルスなどの感染症リスク増大など取上げればきりがありません。我が国に限定しても、初めての経験である人口減少社会の到来は重大な課題です。人口減少に伴う需給両サイドからの要因で我が国経済は縮小することが予想されています。この解決の切り札として様々な領域で急速に導入され始めているのがAI(人工知能)であります。現実に、銀行の融資業務での導入、会議での議事録作成、就活でのAI面接・エントリーシート審査、無人コンビニ、医療AI、情報通信産業での大規模な導入など急速に進展し、雇用への影響が強く懸念されています。しかし、重要なことはAIが導入されたとしても、最終的な意思決定はAIが提供する様々な情報を用いて人間が行うということです。この意思決定についてアメリカの国民詩人ロバート・フロストの示唆的な詩があるので紹介しておきます。


The road not taken(選ばなかった道)

黄色く染まった森の中で、道が二つに分かれていた。残念だが両方の道を旅するわけにはいかない。
一人旅する私は、長く立ち止まって、道の先をできる限り見下ろしていた。片方の道が向こうで折れ曲がり、草むらの中に消えていくのを。

それから、別の道を進んだ。一見同じように平坦だがこちらの方がよさそうだ なぜならその道は草が深く、もっと踏みならす必要があったから。
実のところどちらの道も同じようなものだったのだが。

そしてその朝、どちらの道も同じように見えた まだ黒く踏み汚されていない枯葉が散っていた。
最初の道はまたの日にしよう! とはいえ、道が次々別の道へ続いていくことを知る私は、二度とそこに戻ってくることはないだろうと思っていた。

いつの日か、今からずっとずっと先になってから、私は深いため息とともにこの話を伝えるだろう。
森の中で道が二つに分かれていた。そして私は…… 私は人通りが少ない方の道を選んだ、そしてそれが後々どんな大きな違いを生んだことか。


 これからの大学生活において、皆さん方は様々な意思決定を行う機会も多くなるかと思いますが、大学での学習・体験を通じて決断力、判断力を養われることを期待いたします。また同時に、大学は、勉学や部活・サークル活動等、皆さん方が学びたいこと、やりたいことをなんでもチャレンジできる自由な場であり、将来に向けて自分自身で計画を立て、実行していく自主性と同時に自己責任が強く求められる場所でもあります。大学では専門的な知識を身につけるだけでなく、それを論理的に考え、活用するために必要な幅広い教養を学ばなければなりません。大学で身につける専門知識や技能を活かして社会で活躍していくためには、さまざまな課題への適応力や問題解決能力を身につけることが必要不可欠になります。イギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルがケンブリッジ大学での教授就任演説で言った「冷静な頭脳と、しかし暖かい心をもって(Cool heads but warm hearts)」という言葉は有名ですが、経済学を越えて私たちの周りの様々な社会問題解決に当たっては、このスタンスを持たれることは極めて重要かと思います。

 最後に、入学された皆様は、新たに始まる大学生活に対しては期待や希望があるとともに不安もあるかと思いますが、今日から新たな目標に向かって、自己研鑽に励み、充実した学生生活を送ってくださることを期待しています。皆さんが主体的な学修を通して、人として成長し、4年後に社会で活躍できる人材として巣立っていかれることを祈念して、私の式辞といたします。


令和3年4月2日  奈良大学学長 清水哲郎

 

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