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2017/06/09

お知らせ

地理学科でJICA短期派遣の技術者を受け入れ、研修を行いました!

 本学 地理学科 木村圭司教授は、JICA(独立行政法人 国際協力機構)からの要請により、技術者2名を受け入れました。インドネシア技術調査応用庁(BPPT)に所属するスライマン博士、アワル氏が、2017年5月29日~6月9日の2週間にわたり、木村教授のもとで領域気象シミュレーションの導入と応用について研修を受けました。

 BPPTは、日本の国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)に相当するインドネシア政府の研究機関です。科学技術の評価と導入を担当し、自然資源、バイオテクノロジー、エネルギー、情報技術(IT)の分野において調査・研究をおこなっています。お二人は資源開発技術を担当する組織に所属し、スライマン博士は地域資源開発技術を、アワル氏は天然資源インベントリを研究しています。

 本学における研修の目的は、インドネシアで大きな問題となっている森林・泥炭火災の予測と抑制に、領域気象シミュレーションを応用することです。インドネシアには、泥炭(枯れた植物が十分分解されず堆積したもの)で土壌ができた泥炭湿地林が広がっています。乾燥した泥炭はとても燃えやすいため、乾季には森林火災が多く発生します。さらに、湿地帯に従来あった樹木を焼き払い、水路を掘って水位を下げ、ヤシ油をとるためのアブラヤシを植栽したため、湿地帯の乾燥化が進んだことも、森林火災を増やす大きな要因となっています。インドネシアでは2015年に大規模な森林火災が起こり、ボルネオ島、スマトラ島など、合わせて約200万ヘクタール(四国全体よりもやや広い面積)の森林・泥炭地が焼けました。これをきっかけに泥炭復興庁が設立され、乾燥した泥炭地を湿地化すること、泥炭地のアブラヤシを元々あった樹種に戻すこと、また国民一人ひとりがこの状況を変えていこうとするエンパワーメントを推進しています。

  このような状況の中、スライマン博士らは、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領の直轄プロジェクトとして、森林火災を監視および予測するシステムを構築しています。地下水位が下がると火災が起きやすいことから、領域気象シミュレーションを使って、地下水位と土壌水分の関係性を求め、地下水位モニタリングシステムおよび火災危険度予報システムとして実用化しようというものです。7月中旬までにはBPPTでシステムを導入した上で評価を完了させ、大統領に対し直接デモンストレーションをする予定です。実用化が決定されれば、8月17日のインドネシア独立記念日に、大統領演説でこのシステムについて発表されます。スライマン博士は、「必ず成果を出します」と意気込みを語ってくれました。インドネシアの森林火災は近隣諸国の国際問題にもなっており、当研修は国際的にも非常に重要で、成果が期待されます。

 今回の研修は、木村教授の指導のもと、地理学科4年生の高埜さん、齋藤さん、岩瀬さん、梅宮さん、3年生の村上さん、前田さん、時枝さんが補助を担当しました。特に高埜さんは卒業論文のテーマが今回の研修と関連しているため、研修マニュアルを英語で作成するなど、研修面で中心となって対応しました。また国際機関への就職を志望している齋藤さんは、お二人に日本のことを知っていただくため、得意の英語を使って京都を案内するなど、研修以外の面で積極的に対応しました。派遣されたお二人は日本語を全く話せないため、学生たちはがんばって英語で会話し、コミュニケーションを図っていました。

 また、6月7日には、独立行政法人国際協力機構関西国際センター(JICA関西)の宍戸健一所長が、市川理事長を表敬訪問され、本法人のJICA短期派遣受け入れに感謝の意を表するとともに、スライマン博士らを激励されました。

 奈良大学では、今後も、国際社会に貢献できる研究や、人材の育成に取り組んでまいります。

 スライマン博士、アワルさん、プロジェクトの成功を心より祈念いたします!

 

アワル氏(左)とスライマン博士(右)

 

JICA関西 宍戸所長の表敬訪問

 

高埜さん(左)と齋藤さん(右)

 

歓迎会の様子

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