学生の作る歴史コラム   -  奈良大学文学部史学科

これらのコラムは、会報用に学生委員たちが執筆しました!

2012年4月

伊曾保物語


 世の中には物語がいろいろありますね。その中でも今回、ローマ字訳のイソップ寓話(ぐうわ)を和訳した「伊曾保(いそほ)物語」を紹介します。イソップ物語は紀元前に書かれたとされる物語で人間を動物に例え、人間の生活に馴染みの深いできごとを通して教訓や風刺を織りこんだ物語です。
 この伊曾保物語は、イソップ寓話と内容や教訓は一緒ですが、話々の主人公や物が少し変えられています。
 物語のなかでおもしろいお話を見つけたので紹介します。
 「胃腑(いぶくろ)と肢体(てあし)の話」という話で、これは、手、足、目、口などが胃へ向かって一揆をおこすというお話です。「胃の仕事は食べるだけで楽してずるい」という理由で手足たちは仕事を放棄しました。しかし、手足たちは胃からの栄養がもらえなくなり、次第に衰弱してしました。これにより胃の役割の重要さを理解するというお話です。
 ほかにも200以上の話があり、そのほとんどが短いお話となっており、その話を読むとああこういうことなんだなという教訓も話の結末にあって面白いものばかりです。
 さらに伊曾保とイソップ寓話で違う事柄なのに同じ教訓という話があるので比べてみるのもまた、楽しめると思います。

【参考文献】
 『イソップ寓話集』 山本光雄訳 岩波文庫 1942年
 『御伽草子/伊曾保物語』 徳田和夫編 新潮社 1991年
 『通俗伊蘇普物語』 渡辺 温編 平凡社 2001年

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