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文化財学科からのお知らせ

2021/11/08

授業風景

佐紀古墳群に松林苑の痕跡を探る

 史料学概論と考古学概論では、合同の学外授業として、平城宮跡の北方を巡見しました。平城宮跡の北側には、奈良県内でも有数の前方後円墳が多くあります。佐紀古墳群です。今回は、この佐紀古墳群を東から西へと巡見すると共に、ここに存在した奈良時代の松林苑の痕跡についても探索しました。松林苑とは、奈良時代の聖武天皇の時代を中心とした禁苑で、内部に庭園や倉庫、薬草園・果樹園など、さまざまな施設があります。この地域の古墳を、奈良時代にはどのように再利用していたのかを考えるのも、今回のテーマのひとつです。
 当日は天気もよく、暑いくらいの一日でした。まずは昨年に発掘調査されたウワナベ古墳をスタートして、西隣にあるコナベ古墳を観察しました。水上池は奈良時代からある池で、松林苑の一部として利用されていたと考えられています。さらに平城天皇陵では、平城宮造営にあたり、前方部が削られている事実を確認し、平城京の建設とそれ以前の古墳との関係を知ることができます。西方の瓢箪山古墳の近くでは、松林苑の築地が土塁として今も残されていることも確認しました。奈良時代の遺構が、現代にも残っていたのです。そして、佐紀石塚山古墳や佐紀御陵山古墳、佐紀高塚古墳の大型前方後円墳を見学します。特に、佐紀高塚古墳は称徳天皇陵とされていますが、近年では、西大寺の西方に考える説が有力です。これは次回の巡見でも考えたいと思います。そして、最後は、この地区最大級の前方後円墳である神功皇后陵(五社神古墳)で、全員無事にゴールしました。
 現地を歩き、観察しながら、古代史を考える。文化財研究の基本です。これからも現地にこだわって、研究する方法を学んでいきます。

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